失われていく宝

  • 2022.10.26 Wednesday
  • 21:20

朝露の泣く平野に 脆弱な悲鳴がなり響く
いつも見ていた風景には 知らない色が混じっていた

ポツンポツンと降り始めた雨 凍てつく寒さが身体をすり抜ける
今か今かと待ちわびた鐘は 何も聞こえないままその役目を終えた

四六時中君は何をしているの? 途方もない思案に明け暮れて 迷いのないその姿はまるで 天命に打ちひしがれた銅像のようだ

いつもと変わらない村の有様 涼しげに風鈴の音が心を揺さぶる 一つ一つ自分の手で確かめて 終わりも始まりもない音色を奏でたままで

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